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幸せな時間は終わりを告げる 6

テスト勉強は次の日、その次の日と続いた。 鼓は、古木の頓珍漢な答えに困惑し無言になったり、あまりの物分りの悪さに呻いたり、逃げ出そうとする古木にキレたりと毎日頭を悩ます結果となった。 遼介は何も言わなかったものの、鼓の枕元にそっと胃薬を置くなど小さな励ましを見せた。 実際は膝に乗せて勉強を教えさせるなど、少々鬼畜だったが(その間、キスを強請られたりもした)。 その間にも事件はいくつかあった。 1.鼓が遼介の居ない間に彼の枕を抱きいて「……好き、です」などと呟き、匂いを嗅いでいた所を本人に見られたこと。 鼓はもれなく、部屋から逃げ出した。 2.鼓がまたヴァイオリンを捨てようとして怒られたこと。 決して目を合わせようとはしない鼓に、遼介はディープキスを息継ぎすらさせず3分行った。死にかけた。 3.隆盛と八九座が、鼓に付き纏っている人物をある程度調べあげたこと。 隆盛は裏で、八九座は力では捩じ伏せた。良いタッグが組めそうである。 4.詩帆がその人物に遠回しに怪我をさせられそうになったこと(また花瓶だった)。 隆盛が本気で(いか)り、作業効率が上がった。詩帆は無事である。 5.古木がサッカーでボールが顔面にクリーンヒットし、体育中に倒れたこと。 というより、鼻血の出しすぎで倒れたような気もする。 6.遼介の鼓の盗撮写真のバックアップが一部消えたこと。 叫んだ。下の階の詩帆、隆盛に聞こえるほど叫んだ。 色々と事件があったものの、比較的平和な1週間だったと言える。 そして。 テスト前日の放課後勉強中に、 それは起こってしまった。

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