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特別だったことを知らされました 4
眼鏡も気にせず顔を覆う。
照れ隠しか、将又 、遼介を思い出して苦しくなっているのか。
ここに話題の本人がいるならば、「つーくん、眼鏡汚れちゃうから外してから顔隠そうね。まぁ汚れても俺が拭いてあげるけど。……外したらキスしやすいね」とでも言うに相違ない。
そうして甘いキスの1つや2つ、容易く交わすのだろう。
「さて、最後に伝えたいことなんだけど。伝えたいって言うより、これは提案かな」
「提案?」
顔を上げて眼鏡を外した鼓が問う。眼鏡を外したのは拭くためであり、やはり汚れたようだ。
「最後の仕上げなんだけどね。遼介がどれだけ鼓くんのことを愛しているかを目で確認するために、遼介の部屋に入ってみない?」
「百聞は一見にしかず、だな」
「?!」
カシャン(驚きで眼鏡を落とした音)
ガタンッ(隆盛が眼鏡を拾おうとしてテーブルに足が引っかかった音)
メキッ(テーブルから落ちたリモコンが眼鏡に直撃した音)
「……oh....my god」
なんと発音の良いことか。
……眼鏡が、壊れた。
隆盛が何度も鼓に謝る。
「本当にすまない!」
「あ、はは、大丈夫ですよ。多分前に使ってたものがあると思うので…」
顔が引きつっている。凡そ、前に使っていた眼鏡など存在しないのだろう。
そんな時、声高に言い放ったのは詩帆だった。
「鼓くん、こういう時のための遼介だよ!」
鼓、隆盛が同時に?を浮かべた。
遼介に買わせると言うことなのかと考えた矢先、返ってきたのはとんでもない返答。
「遼介の部屋に、確実に鼓くんの眼鏡もあるはずだよ!あのストーカーのことだからね!」
「あ、そうですね!気づかないうちに交換されてたこともありましたし!」
「涼川君、それでいいのか……?」
「愛されてるって感じます」
鼓は、本当に気持ちのいい笑顔で言い切った。誰もその笑顔には勝てない。
しかし、いいのかそれで。
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