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激おこプンプン丸 2

ちゃんと食べてたよと普通の顔をして鼓は言った。笑顔を見せると嘘っぽくなってしまうのを知っているからだ。 しかし遼介の場合はおそらく、笑顔を向ければ誰であっても騙せてしまうのだろう。 ……ただ、それは鼓に通じるかは別として。 「そっか。じゃあさ、今日の昼飯教えてくれよ」 「え?」 古木がなぜ突然そんなことを言うのか、鼓が考えを巡らせるも出てくるのは「バレた」という答えだけ。 (え、まずい。今日のお昼ご飯なんも持ってきてない。食欲無いとか言ったら2人に言われる。起きたら遼介にも告げ口される) 鼓は怒られるのが嫌いだ。みんな怒ると怖いから。そして自分がしてる行為が悪いということもなんとなくわかっているため、タチが悪い。 「え、ってなんだよ。それくらい教えてくれてもいいだろ。それによっては俺ちょっと貰いたい」 古木の答えに拍子抜けしつつも、鼓は焦る。ご飯なんて最初から用意していない。 いつもの鼓ならこのような事があったとしても簡単に乗り切るのだろうが、如何せん、頭が働いていない。 食欲ないからお昼を持ってきていない、と言うより、鼓は今胸焼けしていた。それはそうだろう、毎日あれだけ甘いものを食べてきたのだから。 繰り返すようだが、 朝に駄菓子を、昼にアイスを、夜にホールケーキを、といったような不健康かつ糖尿病1歩手前な生活だったのだ。 鼓も分かっている、食欲無い=原因はなんだ=食生活。怒られる。 「古木だって自分のご飯あるだろ、作って貰ったやつ」 「たまには違うもん食べたいのー。いくらなんでも毎日食堂の弁当は嫌なんだよ」 「…」 因みに、遼介たちが住んでいるみやび荘は専属のシェフが、 古木の住んでいるひめみや荘には食堂の豪華なご飯が、 鼓の住んでいるかぐら荘には自炊or食堂のある程度高い飯が朝昼晩付いている。 しかしかぐら荘の生徒も料理出来る訳では無いので、ほとんどの生徒は食堂の飯を食べることにしている。 鼓だけだ、高くつくからと言って自炊するのは。 ちなみに食堂の飯はほとんどカード払いであり、後々家の方に請求される。鼓はそんな物もちろん持っていないので、その場で払っている。 「………あの、お昼、ないです」 「え?」 「今日、お昼ご飯、持ってきてないです」 「ん?今日食堂で食べるのか?」 ふるふると首を小さく振る。まるで…子犬。イタズラがバレて震える子犬、今から怒られることを想定して震える子犬だ。 「……えっと、食欲なくて」 「はぁ?早く言えよー。気分悪いとか?とりあえずなんか胃に優しいものを食堂で…」 案の定、古木は軽く怒った。この時はまだ、鼓の体調が悪いことをちゃんと心配しながら怒ってくれている。 しかし、ここからは違う。 「いや…あの、食べては、いるんです」 「??????」 盛大に?を浮かべる古木に、鼓は覚悟を決めた。 「お菓子と、アイスと、ケーキと…」 「おい」

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