315 / 435

地味な嫌がらせの再開 2

「俺、応援してるよ、古木」 「なんか勘違してない?」 さて、話もそこそこに。古木が椅子に座り、鼓も椅子に座ろうとして椅子を引いた時。 思わず固まった。 一瞬、本人にも何が起こったのかは分からなかった。 「…」 椅子を引いたまま動こうとしない鼓を不審に思い、古木が椅子を覗き込むと…、 まさか、椅子に大量の画鋲が針が上を向いた状態で貼り付けられているなんて、誰が信じられようか。 「え、いやなにこれ。作者!題名間違ってるぞー!」 メタい発言をしたのは古木だ。まぁ確かに題名は地味な嫌がらせ、なのだが。 ちなみに言うと、画鋲は椅子の座る部分全部に貼り付けられており、座ると非常に痛そう。 「これのどこが地味なんだよ」 「…古木、誰と話してるの?」 「気にすんな!」 古木は画鋲を睨みつけながら、ため息をつく。つい最近ようやく鼓はあの嫌がらせから抜け出せたと言うのに、この始末。 遼介が首謀者である鷲野親子を闇に葬ったお陰で、平和が戻ってきていたはずたのだが…。 有り得ないと思うが、鷲野信者が残っていた?と古木は思案する。 鷲野信者は漏れなく遼介がしたはずである。 鼓はと言うと (画鋲、よくここまで貼り付けられたよね。本当に褒めてあげたいくらいすごーい。ていうかこんなことする暇あるなら違うことに時間を費やせばいいのに、時間の無駄って言葉知らないのかな?知らないからやってるんだよね、あー、今どき子供でも知ってるのに) (ってか剥がすのめっちゃめんどくさいんだけど。全部一つ一つボンドかなにかでくっつけてるの?それとも両面テープで一気に?両面テープは剥がすの楽しそうだけど…うん、それよりもチラチラと机の中にバナナの皮入ってるの見えるのなんなの) (いいや、もう、椅子も机も窓から放り出してやる) …腹黒さが、戻ってきていた。 「お、おーい、涼川さーん?大丈夫ですー?顔が非常に無になっておりますがー?」 「Go to the hell 」 「英語できない俺でもそれは分かるぞ?!地獄に落ちろって言ったお前?!」

ともだちにシェアしよう!