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いざ、ご対面 2

相も変わらず、鼓はあまり食欲が湧かない。 昨夜の夕飯もあれだけ作ったのにも関わらず、結局鼓が食べたのは料理の半分。そう、半分。鼓にすればそれは少量になる。しかし傍から見ればそれは1人分のご飯量、恐るべし痩せの大食い。 昼食の時間になっても、鼓は食事を拒否しようとしていた。 「涼川、あんまり食べないと氷川先輩が起きた時に怒られるぞ」 古木が茶化しながら注意すると、鼓は顔を曇らせ掌に爪を立てた。聞きたくないと言わんばかりに古木から目を逸らす。 「いま、遼介の話しないで」 「…」 「古木?何してるの?……何それ?ちょっと?」 『つーくん、大好きだよ』 「ちょ、っと!!!!」 古木が取り出したのはテープレコーダー。無言で操作し流れてきたのは遼介の声だった。それを聞いた鼓は顔を赤く染め、古木の手から物を奪う。 「俺言ったよね、遼介の話しないでって!!」 「俺、口では何も言ってないけど〜」 「はぁ?!なにそれタチ悪っ」 (ていうかこんなのいつ録音したんだよ!) 奪われたテープレコーダーはミシミシと音を立てており、握り潰されそうである。そのテープレコーダーからは、未だに音声が流れ続けていた。 『つーくん、好き』 『えっと…俺もです』 『俺もです、じゃあ分かんないなぁ』 『お、俺も遼介の事が「ぎゃああああああ!!」です』 しかも、なかなかの大音量。鼓は恥ずかしさのあまり叫び椅子から立ち上がってそれを黒板に向かって放り投げた。 大きな音を立てて、テープレコーダーがぶつかり、壊れる。 「はぁ…はぁ……はぁ……あ」 静まり返る教室。昼食時の賑わう雰囲気は壊れ、鼓の奇行に恐れを生していた。 「……」 『ねぇつーくん〜、今日はピーマンなしがいいなぁ』 『遼介は…俺の作った料理食べたくないの?』 『嘘ですもちろん食べさせていただきますとも』 『ふふ、ありがとうございます!じゃあはい!ピーマンのピーマン詰め』 『肉詰めですらない?!』 再び教室に流れる二人の会話。機械のように首をギギギギギ…と音を立てて振り向く鼓の目の先に、古木はテープレコーダーを持って座っていた。 「あ、もうひとつあるんだ、実は」 「今すぐ貸せぶっ壊してるから」 「涼川、素が出てるぞ〜」 「うるっっ……さい!」 涼川と氷川という苗字、川が被ってると気づいたのは実は書き始めた後のこと。気づかなかった笑

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