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いざ、ご対面 3
古木から取り上げたそれをまたしても破壊しつつ、鼓はで、これなに?と問う。
「氷川先輩経由から八九座さん、俺に渡ってきたブツです。氷川先輩の事だし、恐らくパコソンにバックアップされてると思うぞ!」
いい笑顔でサムズアップする古木に、鼓は冷たい視線をモロに浴びせた。瞬間、古木はここは極寒の地だっただろうかと身を固くさせた。
そしてなんということか、担任が最悪なタイミングで入ってきてその冷たさに引き返してしまった。あれ…?この教室冷房こんなに効かせてたっけ…?と。
「……ねぇいつの間にそんなに遼介と秘密を共有できるほど仲良くなってたのってかそれってもしかして俗に言う浮気とか言うやつですかそれならちょっと遼介も古木も〆ないといけないんですけどでも八九座さんもグルなら全員1回で終わる方法を見つけないといけないしじゃないと罰にならないしそうだ一人一人目の前で」
かなりの低音に加え聞き取れるのかも微妙な程の早口。それはまるで怒り心頭中の遼介のようだった。
それは古木も思ったらしく、なにかえぐいとこを言い出しそうな鼓にストップをかけ叫んだ。
「ちょ、怖いって!で、伝言ちゃんとあるから!そういう所氷川先輩と似てきたよな涼川って!!」
「…」
「どこに照れるの要素が?!もしかして氷川先輩と似てるってところか?!」
ぽっ、と頬を染める鼓。見た目はただの乙女。頬を染める内容は怖さが似てきたところ。やはり、どこかおかしい。
震える古木は、壊された2つのボイスレコーダーを見て、引き攣った笑みを浮かべた。
「あ、そういえば伝言もボイスレコーダーに…」
「壊したけど?」
「…」
「こ、わ、し、た、け、ど?」
「最初に説明すればよかったですこちらの配慮が足らず誠に申し訳ございませんでした」
実際突然取り出した古木が元凶ではあるが、壊したのは鼓。古木は理不尽さをひしひしと感じつつ、圧に負け謝った。
「うん、で、どうするの?」
「こ、言伝 で行きます」
(古木、伝言と言伝の違い分かってたんだ、意外)
「なんかいま失礼なこと言おうとした?!」
「ううん、思っただけ」
「結局失礼なこと考えたんだな!!」
その頃の先生
「お〜い…だれか教室の冷房上げてくれ〜寒くて入れないから〜」
「先生、冷房入ってないですよ?冷房は多分涼川です」
「そうか、涼川か…なら仕方がないか」
「「「「納得するのかよ」」」」
柴 隆盛の名前の由来は、しば漬けから。
なんか食べてそうじゃない?隆盛って(偏見)。
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