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いざ、ご対面 6

めんどくさ…と内心悪態をついたが鼓は一応先生に呼びかけに応じた。 「このあと少し時間あるか?休みの期間の書類があるから職員室まで来て欲しいんだ。あと再テストの件と」 「あぁ、なるほど。わかりました」 強制的に休まされた4日間でテストは終わってしまっていた。後日再テストがあると聞いていたためそこまで驚くことではない。鼓はテストが好きでも嫌いでもないが、自分の学力を定期的に自ら調べられると思うとあまり悪い気はしていなかった。 「古木、野沢先輩、先に帰っていてください」 「「え」」 当然のようについてこようとしていた2人にそうい言うと驚いた顔をした。 「危ないしついて行くよ」 「学校に居て何が危ないんですか」 「この間の犯人捕まってないんだぞ」 「八九座さんも後ろから着いて来てくれるし大丈夫だよ」 心配しすぎだと鼓は言うが心配されて当たり前なのだ。犯人は鼓を最早“殺そうとした”人物である。警戒に警戒を重ねられて当然だ。 少しの間悩んでいた詩帆だったが、一つため息をこぼして承諾した。 「でも!ちゃんと寮についたら全員に連絡すること、いい?」 「わかりました」 「詩帆先輩いいんですか?」 驚いたのは古木だ。まさか詩帆が許すと思っていなかったのだろう。 「まぁ流石に職員室に出るとは思えないし、大丈夫だと思う」 「なんか心配だなぁ」 ううんと唸る古木。そんな古木を見て鼓は一言。 「…俺は古木のテスト結果が心配だなぁ」 「え」 思わぬその言葉に古木は固まり顔を青くさせた。忘れたと思ってたのに、そう表情が物語っている。鼓は笑顔で古木に近づいて行く。その表情の圧の強さといったら…なんと恐ろしいことか。 「俺まだ見せてもらってないなぁ」 「ソウダッケ」 目を逸らしているがひしひしと圧を感じているようで額には冷や汗が浮かんでいる。しかし鼓はそれを許さない。 「とぼけんなさっさと見せろテスト一週間前に泣きついてきた馬鹿古木。赤点取ってみろ3年に上がれなくするぞ(勉強教えないぞの意味)」 「怖い!!!!!今持ってないから明日見せる!!!!早く職員室行け!!」 震える古木は詩帆の後ろに隠れ叫んだ。小動物感。 「わーいありがとうー」 鼓は棒読みに返し、手をひらひら振りながら先生に続いて教室を後にした。

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