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今日は欠席です 3

少しすると苛立ちも収まり、疲れだけが体に残る。 (寝よう、かな。学校休んで寝るってなんだかんだ気分いいんだよね。勉強自体は嫌いじゃないけど、学校はどうにも好きになれない) 昨日は肉体的にも精神的にも疲労困憊だったため、制服のまま寝てしまっていた。脱ぐために一度立ち上がると、携帯のチャットアプリの通知音が響いた。よく連絡してくるのは詩帆だし今回もそうだろう、と何も疑わず鼓は床にある携帯を手に取る。見知らぬ人物からのチャットだった。 『まだ終わっていない』 図らずも、鼓は眉を顰め首を傾げた。なんだこれは。 「終わって…いない?」 立て続けにチャットが入る。 『意味が知りたいだろう?扉の鍵を開けて待っていろ』 「………………」 このような幼稚な誘いにのる鼓ではない。誰に報告すべきか迷っていると、今度は着信音が鳴り響いた。隆盛である。ナイスタイミングだ、このメールのことを言おう、と鼓は携帯を耳に当てた。 『涼川くんそこから動くn「ぎゃっ」……!』 突然の隆盛の大声に驚き、軽く叫んで鼓は携帯を床に落とした。鈍い音とともに、隆盛の声が途切れる。 「…あれ」 落としたことで通話が切れたのかと思ったが、どうやら違うようで。拾ってみると画面は暗く電源ボタンを押しても微動だにしない。 「あれ、あれ、あれ?!」 何度揺すろうと、彼は目を覚ますことはなかった………。頭の中で現実逃避らしい文章を書きながら、鼓は焦る。流石に携帯は直せない。そういう技術分野は隆盛が担当なのだが、その隆盛がちょうど大事なことを言おうとして電話が切れてしまった。こうなると学校に行かざるをえなくなってしまう。 (ど、どうしよう。本当に重要なことだったら、行った方がいいよね…。それにさっき言ったことは音がひび割れしすぎてほとんど聞こえなかったし。でも正直、今外に出るのは…怖い) 脳裏をよぎる、昨日の光景。不気味な足音と振りかざされる鈍い光、罵声。外に出るのは危険だ、でも、……。 ――頭を悩ませた結果、鼓は管理人室に行くことにした。 みやび荘に“普通の生徒“は入れない。それだけ厳重な警備がひかれているからだ。管理人室まで行けば、学校に問い合わせて隆盛に事情を説明することができる。 (善は急げ、だ) 鼓は制服を着替えなくてよかったと思いながら玄関に向かいドアを開けた。 その時鼓はすっかり忘れていた。 見知らぬ人物が送ってきていたチャットの内容を。

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