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夏服と変態 2
カメラを取り上げられた遼介はつーくんのいけず…とわざと体を気持ち悪くくねらせた。
「いけずって言うか、普通に思考がおかしかったので止めただけですけど」
「普通ってなんだろう。そもそも普通ってその人にとっての普通だから定義が―「屁理屈捏ねない!」……ごめんなさい」
しゅんとした遼介を見て鼓はただ一言。
「………………………………かわい」
「つーくん今なんて?」
「いえ何も。とりあえずカメラは返しますし写真撮影も許可しますけど、変なルール作るのやめてくださいね」
「ありがとうじゃあ早速脱いでくれる?」
「制服姿撮るんじゃないんですか?!」
鼓は再びカメラを取り上げ叫んだ。
(流石に裸は許可されなかったため)制服姿を散々撮り、二人はようやく寮をでた。ちなみにあの昏睡事件から鼓はかぐら荘には戻っていない。驚いたことに、安全性からみやび荘で遼介と一緒に住んだ方がいいのでは?と学校が提案してきたのだ。今回の事件を受けて鼓だけが悪い訳ではない、またどうにかしてそういう輩を対処しなければならならないと重い腰を上げたのである。
そのため二人は朝から晩までずっと一緒だ。
かぐら荘の時も遼介が一方的に住み込んでいたため特に変わっていないが……。
「撮った写真ってどうするんですか?壁に貼るんですか?」
学校に向かいながら鼓が問う。先程から遼介が手を繋ごうと腕を伸ばしてくるので、時々かわしながら。
「ううん、アルバムに貼r……なんで壁に貼るの知ってるの?」
鼓は目を逸らした。遼介の部屋には以前詩帆に言われて入ったことがある。
(あ、言うのすっかり忘れてた。印象に残ってたから思わず喋っちゃったけど…なんとなく後めたい)
「ちょっと色々あって入りました、ごめんなさい。だめでしたか?」
だめってわけじゃないけど、と遼介はモゴモゴ喋る。
「流石に……やばい場所だったから」
「愛されてるって実感できましたけど」
そう言って、照れた鼓は遼介より前を早歩きで歩く。言われた本人は固まり、みるみるうちに笑顔になっていった。
「つーくん愛してるよ!!!!」
そして遼介は鼓に飛びついたが、華麗に躱された。
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