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金城と古木 2
ちらりと教室の方を見ると金城はこちらを見ており、目が合うとお辞儀をしてきた。その行動も含め、金髪で身長が高いためかなり目立っている。視線を古木に戻す。
「古木付き合うの?」
「全くこれっぽっちもそんな気はない。俺は腐男子だけどそっち側ではないから」
「女の子と付き合ったことあるの?」
質問された古木はたじろいだ。
「…………………ない…」
「告白されたことは?」
「…………………男から数回…」
「古木…」
「憐れむような目で俺を見るな!!!!!」
古木は鼓の頭をいい音を立てて叩いた。鼓は下を向いて痛い痛いと大袈裟に言う。が、口元はニヤついていた。
(今まで散々萌えだのなんだの言って鑑賞物にされてきたんだもん。とうとうその仕返しをする時が来たようだ。いじり倒してやる)
非常に悪い笑みだ。しかしそれをおくびにも出さず彼は古木の背中を押した。
「とりあえずもう予鈴鳴るし教室入ろ?」
「あいついるじゃん」
「でも先生きたら怒られるの俺らだよ」
そういうと古木は渋々ながらも入ることを承諾した。席に戻る間古木はずっと鼓の背に隠れ動いていた。もちろん動きにくい為二人ともゆっくりだ。
戻ると金城はまたお辞儀をしおかえりなさいませと言った。そこまで恭しく接されるとは思っておらず鼓は一瞬言いたいことが飛んだ。
「金城……くん?」
「金城で大丈夫です」
「そっか、えと、じゃあ金城。――古木がお昼一緒に食べないか?って」
「言ってねぇ!!!涼川お前裏切り者ーー!」
爆弾発言をした鼓の背後から古木は彼を揺さぶった。かなり激しいにも関わらず鼓は黒い笑みを浮かべていた。ある意味恐怖。
一方金城は顔を輝かせてじゃあ慶くん一緒に食べよう!と意気揚々と答えた。
「食わねぇよ!」
「恥ずかしがらなくていいって。あんなことやそんなことをした仲だろ?」
「したことねぇし変な誤解を生むことを言うな。見ろ涼川がニンマリして気持ち悪い!」
「俺、二人がもうそんな仲だなんて知らなくて…大丈夫だよ古木、これからは二人でご飯食べていいよ。俺たちのことは気にしないで」
「だからぁぁああああああ!!違うっつーの!!!大体――」
古木がさらに抗議しようと口を開いた時、狙っていたのか金城が古木の尻をそっと撫で上げた。
「ひぁッ…」
鼓と金城が口をつぐみ古木を見つめる。
古木は数秒間固まり、顔を赤くしわなわなと震え始めた。
爆発する寸前、ちょうどいいタイミングで先生が教室に入ってきたのだった。
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