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閑話 鼓の無意識

※本編数日投稿できなさそうなので、閑話置きに来ました side遼介 つーくんには謎の癖がある。 「…」 「遼介?」 こっちを見るつーくんは、俺のカーディガン袖を指先で摘んでいる。 本人は特に意識していないらしく、隣に座った時や廊下を先に歩いた時などに摘んでくる。 今まで可愛くて指摘しなかったものの、でもなんとなく理由が気になって。 今は休み時間で、今日はつーくんがお弁当を作っていなかったから学食を買いに行こうとしていた。 いつもよくそんなにたべるよな…って実際思ってる。この細い体はほぼ胃袋なんじゃないか?とか馬鹿な想像してみたり。 そんなことを思いながら券売機の列に並んでいると、つーくんの癖発動。 思い切って聞いてみた。 「つーくん、服の裾掴むのって癖?」 「へっ、あ、ごめんなさいしてましたか?」 「ああ、別に悪いこととか思ってないからしてていいよ」 慌てて手を離そうとするから手首を優しく握ってやんわり阻止する。 「ただ、可愛い癖だなって思って。あとなんでだろうなって」 「かわ…っいくはないと思いますけど、なんでって言われると…癖としか言いようがないですね」 少し悩んだあとつーくんはそう言った。まあ、癖ってそんなもんだろう。 そっかーと返して、列が進んだから俺も進もうとしたら鼓が裾を摘んで 「でも、遼介に少しでも触れてられるから安心するのは…あるかも、です」 とめちゃくちゃに可愛いことを言ってきた。 きっと、俺が悶え死ぬなんて考えていない、無意識な言葉と行動。 俺はにやける顔を隠しもせずつーくんの頬にキスをした。

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