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涼川 鼓 14
カーテンすら着いていない窓から見えていた太陽はいつの間にか沈み、外は暗闇に染っていた。今朝に溺れさせられて治療されて、部屋にまた閉じ込められていた。
「…おなかすいた」
ご飯は今のところ、一日一食、ないときもある。こんな状態でも体は生命活動を維持しようと空腹になるんだな…とぼーっと天井を見つめながら思う。
夜ご飯、今日はあるのかな。清さん、ご飯ほとんど食べないからないかもれしないな。
動く力もなく横たわっていると、部屋の鍵が開く音が聞こえた。
「やあ、鼓くん。夜ご飯だよ」
入ってきた清さんはお粥らしきものを持っていた。…そういう優しさはあるのにどうして非人道的を出来るんだろう。
「…ごはん」
「そう、食べさせてあげるから1度鍵外すね」
清さんは母さんから預けられた鍵で俺の枷を外して俺を抱えた。最近、筋力が衰えて立つことすら出来なくなってきている。逆に母さんはそれが頼られてると思うらしく嬉しそうだった。
「鼓くん痩せたね」
「…」
誰のせいだという言葉は飲み込んだ。下手に言って麻酔なしで治療されても困るから。
「お粥食べれる?」
膝の上に座らされると同時にスプーンが口元に宛てがわれる。口を開ければ薄味の卵粥が入ってきた。
美味しいかは分からない。
「美味しくなさそうだね」
何も言っていないのに当てられて少し不気味に思う。前まで表情はあったけど近頃はほとんど無表情だから、表情からわかるはずもないのに。
「鼓くんは可愛いね」
「……お母さんと同じことを言う」
「僕は可哀想で可愛いと思うよ」
「意味、分かんない」
可哀想で可愛い。清さんは俺によくその言葉を向ける。母さんに叩かれて泣いてる姿や治療されて痛がってる姿を見て可愛いと言うのだ。
正直気持ち悪い。
「もういい」
「うん、わかった」
半分くらいを残して俺は食べるのをやめた。この人に食べさせてもらうのは嫌だった。
「じゃあ鍵かけるね」
「どうぞ」
大人しく左足を差し出すと、掴まれたまま引っ張られそのまま転がされた。目の前に清さんの顔がある。
「な、に」
「鼓くんは自分の容姿自覚してるの?」
「ようし?じかく?」
「わかんないか。7歳の割に他の子より大人びてるから理解してるのかと思ったけど…眞白、外に出てないもんな」
急にそんなことを言われても分からない。なにかされるのではないかと怖くなり、やだやめてと顔を覆った。叩かれるのは、痛い。
「別に叩いたりしないよ」
清さんは意外にも何もせず普通に俺の足に枷を嵌めた。しかし1度ついた恐怖心は消えず、俺は部屋の隅の方へ後退った。
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