410 / 437

閑話:自転車

長らくおまたせしてすみません まだ学業の方が落ち着いてないので、もう暫くお待ちください… 閑話:自転車 「涼川って、自転車乗れるの?」 「なに急に」 授業中のグループワーク中、課題が終わってしまい暇になった古木が鼓に話しかけた。 「なんか涼川って乗れないイメージ」 「俺のどんなイメージ抱いてるのか知らないけど、普通に乗れるよ」 「へー意外!」 「意外って…古木こそどうなの。古木もどちらかと言えばお金持ちな方だし自転車なんて自分の足使うもの乗らないんじゃないの?」 「実は父親がサイクリング好きだから付き合わされて俺も乗れるんだよな〜」 鼓は古木を見た。鼓とは違い、彼は細マッチョという類だ。程よく筋肉が着いた腕、しかしゴリラのようではない。 「……古木って運動好き?」 「嫌いではないな。体育大会もどっちかつーと好き」 「俺、はじめて古木の事を尊敬の眼差しで見てるよ…」 はじめてなの?!っと突っ込む古木。鼓は笑いながらペンをくるくる指で回す 「俺ちょっとした事情で外国行ったことあるんだけど、そこのホストファミリーに教えてもらったんだ。でも俺体力無さすぎて、乗れはするけどサイクリングで置いてかれて…」 「…涼川らしいな」 「なんか腹立つ。まあでも、色々連れてってくれたし感謝はしてる。サイクリングだけは最後まで追いつけなかったけど」 その時のことを思い浮かべてか、鼓の顔が少し明るくなる。いい思い出なのだろう。 古木もそんな顔を見て、ニカッと笑った。 「じゃあ今度、サイクリング行こうぜ」 「え、」 「置いてったりしねーから。氷川先輩と、詩帆先輩、隆盛先輩、俺とお前でさ」 数秒鼓は固まり目を瞬いていたが、徐々に目にきらきらとか光が宿った。 「行く!!」 「めっちゃ涼川が喜んでる…氷川先輩にも教えよう」 その言葉に一々言わなくていいって!と鼓は頬を赤らめ古木を叩いた。 「つーくん可愛い可愛い可愛い可愛い…」 もちろん遼介は盗聴器の先でにやけていたのだった。 了

ともだちにシェアしよう!