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もしも君を愛せたら 1

長らくお待たせしました 大学の課題とテストがようやく落ち着きました…待っていただいている読者様には申し訳が立ちませぬ… 「ワタシと眞白の出会いは音楽教室だった」 「あ、語るんだ」 いきなり話の腰を折られて、ジャンの無表情顔が少し悲しげになった。 「……じゃあどこから聞きたい」 「ちゃんと母さんを愛してたの?」 「…………わからない」 「な、」 「まずワタシは対物性愛者だ」 「……ごめんやっぱり最初から話して」 「…………」 ワガママだなと顔に書いてある。 「ワタシ自身、よくある話両親から愛情よりも教育を施された身だった。愛し方は分からないが、仕事はやればやる程必ず答えてくれる。所謂仕事が恋人というやつだ。……氷川の家と似ているかもしれないな」 「ええ、そうですね」 遼介の表情は変わらず、それが普通だと思っているようだ。鼓にとっては驚きだが。 同じような教育を受けていたとして、遼介は愛し方が分からないようには見えない。むしろ、ストーカーに発展するほど1人に固執している。 「あと一応知ってはいるがあとで鼓との出会いから何まで教えてもらうから覚悟してなさい」 遼介の顔が引き攣った。 「制作途中のヴァイオリンを試し弾きしてもらう為に、とある音楽教室に行った。そこに居たのが眞白だ。涼川眞白と言えば誰もが知るヴァイオリニストで、その頃ワタシは24,眞白は17だった」 「…犯罪」 「問題ない、告白してきたのは眞白が20になった頃だった。ワタシはにべも無く返事をした。両親もヴァイオリニストの涼川眞白なら釣り合うと婚約を許した。義務かのように行為をし、お前が産まれ…そして、ワタシたちは別離した」 「……甘い秘話なんて期待してなかったけど、父さんが予想以上にクズなのは分かった。とりあえず母さん的には恋愛結婚、父さんは流されるがまま結婚した。そして言われるがまま俺ができた、と」 話を聞いていた鼓は深く、深く深くため息をついた。疲れてきたのかそのまま遼介にもたれかかる。 「母さんは、これのどこがを好きになったんだろう」 ジャンが小さく、これ…と呟いた。鼓の毒舌は今日も切れ味が最高だ。 「お前が知りたいのは、眞白のことだったな。だがすまない、ワタシも話せることはほとんどないんだ。なにせ、仕事ばかりしていたから。ただ、眞白はワタシのことを愛していた。ワタシは何も返せないにも関わらず…」 「……そう…………あと、あの人のことも聞きたい」 「吉田清か。アイツはいま、行方不明だ。眞白に刺された後病院から逃亡して――」 「まって、母さんが何したって?」 鼓は思わず話を遮った。母さんが、清を刺した?何故?あの2人は愛してあっていたはずじゃ?

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