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そんな顔しなくてもまた来るよ 2

見事に鼻血を出した遼介に鼓はドン引いた。しかし遼介は気合とやる気で鼻血を止め、なんとか鼓を抱き起こすことに成功した。 「それで、ピザは…」 「…シーフード」 「わかった。じゃあ頼んでくるね」 そう言い部屋を出ていく遼介。鼓はじーっと出て行った扉を見つめ…またバーカ、と一言送った。 そしてベッド脇のテーブルに置かれた携帯を取り通知を確認する。父親から1件届いていた。 『健全な付き合いを、と言ったはずだが』 ばっと鼓が辺りを見回す。もちろん部屋には誰もいない。 (…もしかして、監視カメラ?) 気付かぬうちにつけられていたのかもしれない。そう思い、鼓はすぐさま父親に"うるさい"とだけ送った。するとすぐに既読がつき、"これから帰る。服は着るように"と返ってくる。 鼓はいま半裸だ。見られている、その事に怒りが湧いた鼓は"死ね"とだけ送った。 その後、鼓の部屋に食べ物が届き、鼓は遼介の膝に抱えられながら食事をした。 「ピザ」 「うん」 「マグロ」 「はいはい」 「チキン…骨無しがよかったなー」 「ごめんね」 普段はわがままなど言わず穏やかな鼓だが、今回ばかりはわがままばかり言わせてもらうことにした。 (遼介が悪いんだ。あんなこと…いっぱい、あんなこと…) 思い出しては、たまに食事を運んでくれる遼介の腕を噛む。 遼介はそれをにこやかに見つめていた。 「ああ、つーくんが可愛い…」 「ごはん!はやく!」 「はいはーい」 鼓が指さす食べ物を遼介が口に運ぶ。そのような形で食事は進められていった。 食事が終わると鼓がうとうとし始めた。ヤったのは昨日の今日だ、眠いに決まっている。 遼介は鼓をそっと抱き上げると、ソファーに寝転ばせた。 「遼介…」 「うん、なぁにつーくん」 「これから父さん帰ってくるから…気を付けてね」 「待ってつーくんそれ聞いてないちょっと待ってまじでつーくん今寝ないで俺を1人にしないで?!」 そう遼介は叫んだが、鼓は既に半分夢の中。すやすや、と音が聞こえそうなほど安らかな眠りに鼓は入っていったのだった。

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