13 / 22
第13話
この2~3日の間に色々な事がありすぎて、
精神的にかなりお疲れのジェイクは珍しく
タクシーを使った。
『―― ぁあ~~っ!? てめぇっ!
明日はポスター撮りだけじゃなかったのかよっ?!
んなこと知るかっ。てめぇで何とかしろや。
じゃあな』
ブチっ。
*年前、地元のタウン誌の読モをやった事が
きっかけで以来、ちょくちょく単発の仕事を
受けている芸能エージェント・レニーとの
電話。
ったく……3ヶ月ぶりに
半日寝れると思ってたのに!
んな事ならスタジオから真っ直ぐ
帰ってりゃ良かったぜ。
ジェイクはタクシーのシートに深く座りながら
ふと窓の外に目をやった。
ん……?
思わずサングラスを外して窓の外を
凝視する。
運転手がギアチェンジをして方向転換。
『あ、わりぃ ―― ここでいいわ』
運転手は如何にも不機嫌な顔をした。
そりゃそうだ。
まだ乗ってほんの数分しか経っていない。
ジェイクは”Sorry”の気持ちも込めて
アンドリュー・ジャクソン($20)を、出した。
『釣りは取っておいて
(Keep the change)』
運転手は当たり前だ、と言う感じで
『どーもー』おざなりの挨拶をした。
やっぱり釣り貰っときゃ良かった……
キャップを目深にかぶり直しタクシーから降りて
さっきタクシーが方向転換をした交差点へと戻り
足早に歩き出した。
ともだちにシェアしよう!