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第7話 告白 2-3

 決して派手な雰囲気ではないが、すらりとした体躯は華奢な印象もなく健康的 。一度も手を加えたことがなさそうなさらりとした黒髪と、綺麗な二重でまっすぐとした淀みのない瞳。  すっと通った鼻筋に乗せられた銀フレームの眼鏡がまた、知的な印象で好感が持てた。物腰も柔らかく、きっと女の子から見たら王子様を思わせる風貌なのだろう。  それに比べて自分は――これと言って特筆すべき点は少ない。ごく普通な三十代。  身長は平均値。低くはないが決してお世辞にも高いとは言えず、顔の質も中の中ぐらい。いささか若く見られるがそこまで童顔というほどでもない。ましてや中性的などという要素もこれっぽっちもない。  まあ家族みなごく普通の一般的な容姿なのだ。トンビが鷹を生むなどという、そんな突然変異は起こらなかったのだろう。ただ、家系なのかあまり太らない体質なのはありがたい。  しかしここまで平凡地味だが、平凡なりに女性と付き合った経験がないわけでもなく、想いを寄せられた経験がないわけでもない。性格の善し悪しは自分ではわからないが、人好きする雰囲気だと言われたことはある。要は話しやすいということか。 「人間顔じゃないとは言うけど」  彼のどこに自分がヒットしたのかが謎なのだ。いつから僕を好きなのかはわからないが、藤堂の在学期間――ここ二年間、僕はなにをしていた? 確かに去年まではいまの三年生を授業で受け持っていたし、藤堂のクラスも担当していた。けれど彼は授業中すごく大人しくて、あまり印象に残っていない。 「ほんとに……覚えてない」

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