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第9話 告白 2-5

 二人は数ヶ月前に一週間ほど代理顧問をした写真部の部員で、それ以来なぜかよくこの場所に出没するようになった。  肩先まで伸びた真っ黒な黒髪に、大きな瞳とこぢんまりとした容姿が小動物を思わせる女子が片平あずみ。ふわふわの茶色い癖毛で、ひょろりと背の高い細目の男子が三島弥彦だ。幼馴染みらしい二人は大抵二人ワンセットで称される。  ため息交じりの僕の声にへらりと笑った三島に対し、片平は肩をすくめただけだった。 「これ職員室に行ったら先生にって渡された。準備室に引きこもってばっかりいないで、たまには職員室にも行ったら?」  すたすたと僕の目の前まで歩み寄り、片平は腕を差し伸ばしてファイルに挟まった紙の束を僕の胸に押し付けた。 「ああ、そうか。そういえばこれ今日までだったな」  突然押し付けられたファイルを受け取りながら、僕はワンテンポ遅れてその意味に合点がいった。全校一斉抜き打ちテスト、その採点を一部任されていたことをふいに思い出す。新学期、入学早々のこのテストは毎年恒例だが、毎年必ず悲鳴が上がるテストだ。 「西やん? どしたの、珍しくぼんやりしちゃって」 「なに言ってんの弥彦。先生はいっつもでしょ」

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