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第10話 告白 2-6
片平の横に並び、心配げな表情で首を傾げる三島は、僕の目の前で手をひらひらと動かす。それに対し片平はいささか呆れた面持ちで息をついた。
「ええ? いつも以上だよ」
片平の言葉に三島は眉をひそめしゃがみ込むと、僕の顔を下から覗き込み目線を上げた。
「いや、悪い悪い。ちょっと考え事をしてた」
まるで大型犬がお座りしたような錯覚がして、頭を撫でてやると三島は不思議そうに小さく首を傾げた。
「考え事って、藤堂優哉?」
まるで独り言のようにぽつりと呟いた片平の言葉に、三島の癖毛をかき回していた手が思わず止まる。
「えっ?」
上擦った声を発しながら、僕はいつの間にか横に立っていた片平を振り返る。動かす首が油の切れたブリキのような、ひどく鈍い音がした気がする。
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