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第11話 告白 3-1

 ゆるりと口角を持ち上げ、にやりと悪い笑みを浮かべた片平に顔が引きつる。そしてそれと共に背中を冷たい汗が伝ったような気がした。 「なにその反応。怪しい、藤堂優哉が気になるの?」 「え? あ、それはちょっと色々あって」 「ふぅん。そう、色々って?」  ぐっと顔を寄せてくる片平を避けながら椅子を後退させると、面白くなさそうに彼女は肩をすくめる。 「西やんって優哉となんかあったの?」 「え? いや、えーと、なにかあったというか。どんな子だったかなぁと」  首を傾げる三島の頭に軽く触れ、つられたように僕も思わず首を傾げてしまった。 「弥彦、教えてあげれば? 同じクラスでしょ」 「こら片平、いつまで見てるんだ! 勝手に見るんじゃない」  いまだにしゃがんでいる三島を見下ろしながら、片平は机に置いていた青いファイルを手に取りその内容を繁々と読んでいた。  慌ててそれを取り上げると、片平は目を細めて小さく口を尖らせる。可愛らしい仕草だが彼女がやると、どうにもなにか含みがあるような気がして冷や汗が出る。 「で、先生は優哉のなにが知りたいの?」 「俺で答えられることならなんでも聞いていいよ!」

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