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第12話 告白 3-2

 結局そのまま成り行きで藤堂のことを三島から聞くことになり、自分を囲うように寄せられた二つの椅子に片平と三島が腰かけた。途端に狭い空間がさらに窮屈に変わる。 「この部屋って狭いよね。もっと広い準備室用意してもらったら?」  僕の心情を読み取ったかのように、片平が辺りを見回しながら眉を寄せた。  スチール製の本棚が部屋の半分を占めるこの部屋は、僕が現在使用している机とその後方。扉までの床面積しかない。精々三畳程度だろう。 「まあ、確かに狭いけど、使うのは自分くらいだからな。もともと書庫だったものを、わざわざ使わせてもらってるから贅沢は言えない」 「蔵書に囲まれるのが幸せなんて暗いわね」  ぽつりと呟く言葉に棘がある彼女は、可愛い仔羊の皮を被った悪魔だと思わずにいられないのは僕だけだろうか。まったく悪い子ではないのはわかっているのに、相変わらず嫌な汗が出る。 「そうかなぁ、古典の先生らしいんじゃない?」  肩を落とした僕をフォローするように三島がそう言って笑った。本当にこの二人はうまくバランスが取れていると感心してしまう。 「そうそう、優哉だけど」 「え、ああ」  思い出したように話し出した三島に対し、僕は思わず肩を跳ね上げ間抜けた声を上げた。いまその名前は色んな意味で心臓に悪い。考えろと言われるとやたらと意識し過ぎる。

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