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第35話 告白 6-7
でもなぜだかその笑顔に胸がくすぶった。
「ふぅん、そうか」
「で、終わりですか? なんだか急に落ち込んでますけど、どうしたんですか」
なんとなくもやもやしたまま話していたら、ズバリとそれを藤堂に指摘されてなんだかさらにへこむ気がした。なんだこれは、このちょっと胃の辺りにムカムカと込み上げてくる胸のムカつきと、苛々と神経に障るような感じ。
「藤堂」
「なんですか?」
「なんでもない」
「先生? ほんとにどうしたんですか」
「……なんでもない」
やっぱりムカッとする。
なぜか藤堂を見ていると苛々が募る。そしてますます顔が険しくなっていく僕に、藤堂は本気で戸惑い、困ったように眉を寄せていた。
不可解なこの胸のムカつきの意味に僕が気づくのはもう少し先。
[告白 / end]
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