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第70話 接近 6-6
Rabbitとは明良たちが通うBARの名前で、そういった出会いを求めて集まる人がほとんどらしい。一度ものは試しと、面白半分に連れられていったことがあるが、一人では絶対に足は踏み入れることはないだろう。けれど店主は豪快だけれど面白い人だった。
「人のケツを狙いやがったから、逆に喰ったのが出会い?」
さらりと言った明良の言葉に開いた口が塞がらない。一瞬、不覚にも二人の並ぶ姿を想像してしまい肩が落ちた。渉さんも整った顔立ちをしているが、明良も例に漏れず男らしい精悍な顔立ちをしている。明るい茶色の髪がキツイ印象を与えやすい明良の顔立ちを柔らかく見せていた。
二人とも見た目がいいだけになんとも言葉に詰まる。
「なんで僕なんだ」
「は? なに、まだ佐樹は自分の見た目気にしてんの」
「悪いか」
気にするなというほうが無理な話だ。いま目の前にいる明良を筆頭に、なぜか自分の周りはやたらと顔のいい男が多い。そんな状況でコンプレックスにならないほうがおかしい。
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