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第73話 接近 7-3

 失恋話を話し出すと色々と長いのがたまにキズだ。それだけ本気だったんだろうから、可哀想と言えば可哀想だが、聞いてるこっちは恥ずかしいやら、いたたまれないやらで複雑な気分になる。 「あ、そうだ。んで、イケメンくんはどんな子なわけ?」  再び明良の興味が藤堂に戻り、初めて止めなきゃよかったと思ってしまった。  残念なほどに相手がいない時の明良は雑食だ。恋愛している時の一途さはどこへ行くのか、本当に明良はそれ以外かなり無頓着で、正直見ていて呆れるの一言だ。 「今度紹介しろよ」 「嫌だ。藤堂は紹介しないぞ」  にやりと笑った顔が胡散臭い。絶対にいまの明良には紹介したくない。多分きっと明良のタイプではないと、そう思うけどそれでも嫌だ。 「なんでそんなに明良は付き合う子と遊ぶタイプが違うわけ?」  いつも明良が付き合うタイプは小柄で大人しくて、ちょっと雰囲気が可愛い子が多い。でも、付き合ってない時に一緒に見かける人はそれとは毎回全然違う感じで、あえて言うなら渉さんのように顔立ちが綺麗で、性格もサバサバしているタイプがほとんどだ。  実際二人が付き合っているんじゃないかと思ったことさえある。でも地球が逆回転してもありえないと、二人揃って猛烈に否定された。ある意味、すごく息が合うんだろうけど。

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