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第75話 接近 7-5
「本当にその気がないならいつまでも構うなよ。ちゃんと突き放せ。向こうは年頃なんだし、マジだろうしさ。ノンケに惚れるのって結構リスクが高いんだぜ。しかも下手すりゃお前ら親子だぞ」
「誰が親子だ!」
しみじみと呟く明良の足をテーブルの下で蹴り飛ばし睨みつけてやると、涙目になりながら足を持ち上げて脛をさすった。
確かに一回り以上離れているがまだ親子には手は届かない。確かにあと四、五年違ったら可能性も出てくる。けれどまず藤堂と親子なんてどう考えてもありえない。よほど彼のほうが自分より大人びてる。あんな子供は絶対嫌だ。
「それはまあ、冗談だけどよ。佐樹は恋愛に関しては枯れてっからなぁ」
「さっきから言いたい放題だな」
口を曲げる僕に追い討ちをかけるように明良は笑う。
「ほんとのことだろ。渉のことにしたって、いままで気がつかない佐樹は相当鈍いぜ」
「は? 全然わからないだろ。どこをどう見たら渉さんが自分を好きだなんて思うんだ。あの人は誰に対してもあんな感じじゃないか」
ため息交じりに明良を見れば、逆にさらに大きくため息をついて肩をすくめられた。
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