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第93話 すれ違い 2-2

「実は優哉、実行委員になっちゃって」  ため息交じりにそう呟く三島に一瞬首を捻る。しかしその意味をようやく思い出して、僕はやっとああ、と合点がいった。 「創立祭の? でも、バイトあるのに大丈夫なのか」 「ん、今回は放課後と昼休みを使うみたい。だから優哉は昼休みだけ参加するって」 「昼休み?」  意外な答えに眉を寄せれば、同じように三島も首を捻り訝しげな顔をする。 「今回は峰岸が関わってるから、よくわからない」  珍しく機嫌悪そうに口を曲げる三島の姿に、僕は思わず目を見開いてしまった。 「峰岸って三年の、生徒会長の峰岸だろ?」  物覚えが悪い僕でもさすがに峰岸のことはすぐに思い出した。彼はとても印象強いタイプで、それは昨今の生徒会長の中でも群を抜く。女子からも受けのいい整った顔立ちは甘く、威風堂々としたその姿と存在感は正直高校生らしくない。  同じく落ち着いた雰囲気を持っているが、藤堂とはまた少し違ったタイプだ。 「峰岸は藤堂と仲がいいのか?」 「うーん、最近はあんまり。二年の半ばくらいまではよく一緒にいたけどね。俺、あいつは苦手」 「ふぅん」  三島が他人に対して好き嫌いをはっきり口にするのは本当に珍しい。よほど相性がよくないのか。まあ、どう見ても草食系と肉食系なのだから、相反しているのも道理か。

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