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第118話 すれ違い 7-4

「無意識? 相当重症だと思うけど」 「重症ってなにがだ」 「しょうがないなぁ」  顔をしかめる僕の表情に片平はひどく呆れた様子で苦笑いを浮かべた。 「うるさい」  言われなくとも自分の鈍さはここ最近でどうしようもないくらい感じている。 「そういえば今日も藤堂、朝いなかったよな」  ふと今朝も片平と三島の姿しか見かけなかったことを思い出す。昨日のようにギリギリに登校してきた様子もなかった。 「もしかして今日は休みだったのか?」 「あのね、休みだったらさっき聞かれた時に休みって言うわよ。今日は遅刻」 「遅刻?」  昨日見かけた時も顔色が悪かったが、昨日の今日で遅刻してくるなんてほんとにどこか悪いのだろうか。 「夜眠れないんだって」 「不眠症?」 「さぁ、考え事し過ぎて眠れないんだと思うけど? 意外と神経か細いから、あの男。西岡先生が聞いてあげればいいのに。そしたら眠れるかもよ」  心配しているこちらの気持ちなどお構い無しに、片平は肩をすくめると僕を見ながら首を傾げる。 「な、なんだ」  しばらくじっとこちらを見たまま、一向に反らそうとしない片平の視線に居心地悪さを感じ、僕は思わず下を向いてしまう。

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