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第126話 すれ違い 9-2
「なんでお前にこんな嫌がらせを受けなきゃいけないんだ。顧問はやる。だから、どけ」
「もちろんやってもらう、けどちょっとくらいはいいだろ」
「なんだその理屈はっ」
駄目だ、まともに会話しようとすると自分のペースが乱される。そして峰岸のペースに巻き込まれると、上手くかわされて話にならない。焦りと共に吹き出す冷や汗が背筋を通って気持ち悪い。
「センセは藤堂とはどこまでした?」
「は?」
「あ、もしかしてまだ?」
至極真面目な顔した峰岸に驚けば、ふっとからかいの色を含んだ目で笑われた。いまなぜこの状況で藤堂の名前が出てくるのかがわからない。もう頭の中は混乱で極限状態なのに、そんな意味のわからない話をされると余計に頭が真っ白になりそうになる。
「頼む、わけのわからない話はしないでくれ」
ふぅんと意味あり気に呟く峰岸の様子に、どうしようもなく不安になる。そして目の前で思案しているその姿はやけに嬉々とした雰囲気を持ち始め、早く逃げ出したい。
「センセ、キスしようか」
「やだ」
近づけられた峰岸の顔から逃れようと顔をそらす。けれどいつの間にか抱きかかえられた身体は、机上に背中を押し付けられている状態だ。
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