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第236話 ランチタイム 4

「ばれてないつもりだったみたいですけど、一緒にいるとわかるもんですよ。好んで食べるものが甘い味つけだったり、甘めのドリンクが好きだったりとか。先生はわかりやすいって前も言ったでしょう? 嫌いですか?」 「……じゃない」 「そう、それはよかったです」  小さく呟く僕に至極嬉しそうな笑みを浮かべ藤堂は笑う。その表情に僕は思わず顔をしかめた。 「お前、絶対どこかに変なレーダーがついてる」 「え?」 「こっちは藤堂のこと全然わからないのに、不公平だろ」  驚きに目を見開いている藤堂にますます苛々しながら口を曲げると、ふいに手を打つ音が聞こえた。 「西岡先生!」 「なんだよ、急に」  突然大きな声で名前を呼ばれ、手の平を合わせながら機嫌のよさそうな笑みを浮かべている片平を振り返った。 「わかんないこと多いって言うより、この男は知るほど中身がないだけよ。いいじゃない優哉は元々器用だし、先生好みに調教を」 「あっちゃん!」 「あずみ!」  嬉々とした様子で話す片平の声を、三島と藤堂が同時に遮った。 「あ、ごめんごめん。ちょっとテンション上がっちゃって」  二人の声に一瞬目を丸くしながらも、片平は両手を頬に当てながら楽しげだ。 「そうそうその証拠に、バイト先は洋食がメインだから元々あんまり和食は作らなかったのよ」 「ん?」  シートの上に広げられた弁当を指差す片平につられその先に視線を移す。いままでなんの疑問もなく食べていたけれど、比較的メニューはいつも和惣菜が多い。普通に考えれば、僕はともかく若い三島や藤堂はやはり洋食のほうが好ましいだろう。
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