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第243話 Feeling 1-1
いつの間にか日が傾き始めた窓の外をぼんやりと眺める。そして時折、一人、また一人と会議室を出て行く生徒たちの声に、お疲れ様と返しながら、僕は手元の書類を片付けた。
創立祭も間近に迫ると、そろそろすることがなくなって来た。いまは放課後の一、二年が集まるのみだが、それもそれほど時間を取らずに解散することが多い。あとは当日が無事終わるのを願うばかりだ。
「さて、もう誰もいないか」
ため息交じりに後ろを振り返れば、会議室内はがらんとして誰もいなくなっていた。生徒会役員は既に生徒会室へ戻っているので、こちらへ来ることはないだろうと、僕は重たい腰を持ち上げて会議室を出た。
「センセ」
「ん?」
部屋を施錠したのと同時か、聞き慣れた呼び声に気づき、僕は顔を持ち上げた。
「どうした、忘れ物か」
こちらを見ている峰岸にそう問えば、ゆるりと片頬を持ち上げられた。
「なにか提出物あったか?」
峰岸の笑みに込められた意味がわからず、僕は鞄を肩にかけて帰り支度をしている峰岸の姿に首を傾げた。
「センセ、もう終わり?」
「は? まあ、そろそろ」
委員会が終わればもう自分はそれほどすることはない。鍵を返すついでに職員室に顔を出して、帰ろうと思っていたところだ。
「じゃあ、藤堂に会いに行くか?」
「はあ?」
唐突な峰岸の言葉に思わず目を丸くしてしまう。しかしそんな僕の反応は既に予想していたのか、峰岸は至極楽しげに目を細めた。
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