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第246話 Feeling 1-4

 派手な雰囲気がある峰岸ほどではないが、確かに藤堂もただ歩いているだけでも目に留まる。最近になって知ったが、二人はこの学校の中でも特に人気があるらしい。 「そういえば、お前たちは去年まで結構一緒にいたんだよな」  ふいに以前、三島が言っていたことを思い出した。しかし、入学当初から二人はよく一緒にいたと聞くが、いまの二人の状態を見ていると、あまりずっと一緒にいたという感じには見えない――どう見ても水と油だ。 「ん? ああ、見込みないのに一緒にいるのしんどいだろ?」 「え……そ、そうか」  軽い調子で笑う峰岸になんと返していいかわからず、つい引きつった笑みを浮かべてしまう。 「俺が言ったんだよ」 「なにを?」  困惑している僕の顔を覗き込んで、峰岸はにやりと片頬を持ち上げる。その意味がわからず首を傾げると、峰岸は突然僕の肩を抱き寄せて、耳元に顔を近づけた。 「うだうだ悩んでるくらいなら告白しちまえって」 「えっ? なんで」  ぼそりと耳元で囁かれた言葉に、思わず僕の声は上擦った。目を見開くそんな僕の表情に、峰岸はほんの少し困ったように笑う。

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