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第333話 邂逅 15-3

「そうですね。佐樹さんは先生ですし、俺は未成年な上に学生だし、いまも制服のせいで俺が目立ってますから、なおさら世間体が悪いですよね」 「痛いとこばかり突くなよ」  これは間違いなく嫌味だ。珍しく――と言うよりも、初めて藤堂に面と向かって嫌味を言われた。だが、返す言葉がない。 「いいんです。仕方ないことなので、俺がまだ一般的に子供なのはどうしようもないので」 「あのな、大人の事情を持ち出すのは卑怯だって、わかってるんだ。けど、なぁ……難しいんだよ折り合いをつけるのが」  正直言えば、まだ藤堂の傍にいたいし、いて欲しい。けれど彼らにとって深夜と呼ばれる時間帯に連れ歩くのはあまり気が進まない。  本音と建前が頭をぐるぐるとしてしまう。 「嘘です、わかってますよ。そんなに困った顔をしないでください。それに、実際バレて一番迷惑を被るのは佐樹さんだから」 「……藤堂」  冷ややかだった視線がふっと柔らかくなり、なだめるように藤堂の手が背中をさする。それを戸惑ったように見つめ返せば、ため息をついた彼の口元が苦笑いを浮かべた。 「少し意地の悪いこと言いました、すみません。たとえ俺が佐樹さんを強引に誘ったとしても、結局は大人である佐樹さんの責任になってしまう」 「馬鹿、そんなことじゃない。そんな責任いくらでも取ってやるよ」  確かに言う通りではあるが、気にしているのはそんなことではない。 「なにかあって、お前の評価が下がるようなことだけは、したくないんだよ」

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