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第388話 予感 7-3

「そ、だから俺がいるあいだだけな」 「マミちゃんは顧問補佐で」  ニヤニヤと笑う峰岸と笑いを堪えながら口元を緩める鳥羽。二人の表情に思わず肩が落ち、ふっとため息を吐いてしまった。  自由気ままで自分主義なのに意外と優しい百獣の王と、ふわりふわりとした柔らかい雰囲気を醸し出すが、口を開けば凍るような毒を吐く清楚可憐なお姫様の性格は、真逆だが根本的に似過ぎていた。 「そんな扱いじゃ間宮先生も可哀想だろ」 「西岡先生の下で仕事ができるなら、あの人手放しで喜びますよ」  二人の態度に一応後輩でもある間宮をフォローするが、間髪入れずに柏木はどこか呆れたように呟いた。 「マミちゃんニッシー信者だよねぇ」 「信者って、なんだそれは」  眉間にしわをよせる柏木とへらりと笑う野上を見比べ、僕は首を傾げて見せる。確かに懐かれている気はするが教祖になった覚えはない。 「あの人、西岡先生が代理顧問になったのを知ってからずっと、帰ると先生のことしか聞かないですよ」 「へ?」 「マミちゃんはみーくんの叔父さんなんだよ」  柏木の言葉の意味がわからず首を捻れば、至極楽しげに笑う野上がすかさず僕の疑問に答えてくれた。しかし野上と反して複雑げな柏木の表情はどこか嫌そうだ。 「だから補佐に入ったのか。いまの生徒会はフルメンバーだし珍しいなと思ってたんだ」

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