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第405話 予感 11-2

「佐樹さん、明日はなにがいいですか?」 「あ、ああそうだな」  紛らすように明るく声をかければ、それに気づいたのか電話の向こう側で、はっとしたような気配を感じた。でもそれは素知らぬふりをして唸る彼に俺は笑った。 「今日は洋食にしたので和食がいいですか?」  片手を塞いでいた鞄をリビングのソファに放り投げ、俺はキッチンの電気をつけて冷蔵庫を覗いた。  自分で買ってきた物以外、ほとんど入っていないのでその中身は容易く知れる。食費だと言って彼に渡されるもので週に一度まとめ買いをして、時折足の早い食材を買い足す。つい最近買い物をしたので冷蔵庫の中は充実していた。 「今日の夜はなに食べました?」 「あー、今日は麻婆茄子?」 「ふぅん、やっぱり佐樹さんのお母さんはレパートリー多いですね」 「お前、最近もまだメールしてるのか?」  なぜか急に声をひそめる彼に首を捻りつつ、いまも相変わらずメールのやり取りが続いていることを告げれば、今度は重たいため息をつかれた。 「母さんお前のこと、絶対に高校生とか思ってないよな」 「ああ、もしかしたらそうかもしれませんね。なんとなく言いそびれると言う機会もないですし」  多分、大学生か。もしかしたら社会人くらいに思われてるかもしれない。

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