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第418話 波紋 2-5

「なんで、峰岸がそんなに怒るんだよ」  怒鳴りつけられて身がすくむけれど、泣きそうな顔で言われてはそれ以上の言葉をなくす。やはり最近の峰岸はいままで以上によくわからない。 「あんたら見てると苛々すんだよ」 「だからなんで……っ」  一瞬のことだった。身構える間もなく、のしかかるように身体を押さえられ、言葉を喉奥に押し込まれた。  唇に触れる感触とそれを割り入る生温い舌の感触にぞわりと鳥肌が立った。目を見開き驚きあらわにする僕などお構いなしに、それは無理やりに深く押し入ろうとする。何度も身をよじり抵抗を試みるが一向に離してくれる気配はなく、以前のような戯れではないのを感じ怖くなった。  僕の身体をがっちりと抱きかかえる峰岸の胸を、押しても叩いても緩めてはくれず、さらにきつく抱きしめられた。次第に息するのもままならないくらい激しくなる口づけに、脳が酸欠を起こしてくらくらとしてくる。  けれど思わず峰岸の制服の端を握れば、痛いほどだった腕の力が緩み、大きな手が優し過ぎるくらいそっと僕の髪を撫でた。 「峰岸?」  ふいに離れた唇の感触。それにつられ視線を持ち上げると、先ほどまでの荒々しさなど感じさせぬほどやんわりと再び唇を重ねられた。

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