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第592話 夏日 5-2

 今日は間宮の頼みで生徒会の仕事を手伝っている。そしてそれを知った峰岸は、さっきから人の周りをチョロチョロとしていた。 「お前も仕事しろよ」 「俺は休憩中だからいいんだよ」 「ほかのメンバーはちゃんと仕事してるぞ」  休憩中と言いながらも周りへの気配りを忘れていない。それは見ていてわかるけど、こうも周りにいられるとこちらの気が散るというか、気になって仕方がない。それにこの男は本当は欧米人なんじゃないかと思うほど、抱きついてキスをしたがる。いや実際、欧米の人はハグはあってもキスはするもんじゃないのだが、なんというか峰岸は愛情表現が全部勢いになって現れているところがある。  同じような人がもう一人身近にいるから、恥ずかしいとか照れくさいとか今更そんなのはまったくないが、戸惑いはある。 「はぁ……」  ふいに渉さんのことを思い出したら、それと共にため息がこぼれてしまった。  夏休み前に藤堂からもらったメール。あれはもしかしたら怒り込みのメールだったのかもしれない。時間的にいつもだったら電話がかかって来てもおかしくないのに、わざわざメールがきて、渉さんのことを確認すると「わかりました」の文字だけでその日の返事はなかった。そのあとも電話はなくて、いまだメールのやり取りだけだ。随分と経つけれどまだ怒ってたりするんだろうか。  バイトのシフトがびっしりと入っている忙しい藤堂とはすれ違いが続いている。ちゃんと話さなければと思いながらタイミングを失い言い出せなくて、後回しにしてしまった。これはそのツケなのかもしれない。

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