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第758話 夏日 47-1

 参拝を済ませておみくじを引いたあとは、詩織姉と保さん、そして母たちとは行かずに片平の携帯電話と共に残った三島と合流してから、車で十分ほどのところにある大きな銭湯にやって来た。すでにそこには母や佳奈姉、片平も到着しており、みんなで一緒に中に入ることになった。  ここのお風呂は温泉が引かれていてその種類も多く、男湯にもサウナや岩盤浴があり、長湯をすると余裕で二時間くらいは入ったら出ることはない。先に離脱したものは休憩スペースでのんびりと長湯組を待つことになる。  僕はと言えば、もちろん長湯組だ。藤堂も途中までは付き合ってくれたけれど、さすがに最後まで付き合うのは大変だろうと先に上がらせた。一人になったあとも僕は湯に浸かったりサウナに入ったりと、これでもかというほどに満喫してからほかほかとした身体でようやく上がった。その頃にはもうみんな出ていて、アイスを食べたりジュースを飲んだりしていた。  最初から予想はしていたが、やはり僕が一番あとだったようだ。けれどここに来るといつものことなので、あまり家族は気にする様子はない。藤堂も僕の長湯は知っているので同じくだ。片平や三島は待っているあいだに、僕はどうせ長湯だからまだ出てこないとでも言われたのだろう。片平にはのんびりとした声でおかえりと声をかけられた。  最後の僕が湯から上がりしばらくして、湯冷ましも済んだところで家に帰って出前でも取ろうという話にまとまった。そして僕たちは保さんと詩織姉の運転する車にそれぞれ男女に分かれて乗り込んだ。行きは運転手だった佳奈姉の手にはちゃっかりビール缶が握られていた。 「そういえば電話はきたか?」 「うーん、まだどこにもかかってきていないみたい」 「そうか」  後部座席に座っている藤堂と三島を振り返ると、少し困ったように眉を寄せて三島が肩をすくめた。

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