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第797話 疑惑 8-4
「……わかりました。じゃあ、また学校で」
「うん、また明日な」
「そんじゃ解散しますか」
ようやく話が落ち着くと、僕たちの様子をじっと見ていた峰岸が大きく伸びをして駅の改札に向かって歩き出した。そしてその背を追いかけて改札を抜ければ、僕たちはそれぞれの帰路につく。向かうホームは三人とも別々なので、僕とは逆方向の電車に乗る藤堂と、別沿線に乗る峰岸が階段を上っていくのを見届けてから僕もゆっくりと階段を上った。
ホームにたどり着く頃にちょうど向かい側のホームへ電車が滑り込んでくる。その電車に藤堂が乗り込むのが見えて、視線を送ったら片手を上げて微笑んでくれた。その笑みに手を振り返すと、藤堂の乗った電車は発車音を響かせゆっくりとまた走り出していった。
「あと十分か」
電光掲示板を見上げると僕の乗る電車は先発が出たばかりのようで、あいだに特急電車が通過するために十分ほど時間が空いていた。まだしばらくあるのを確認して僕は枠線の中に並んだ。そして帰り着く時間を調べようと携帯電話を開いたら、ちょうどよく手にした携帯電話が震える。それが藤堂のものだとすぐに気づいたので、すぐさま僕は届いたメールを確認した。帰ったら電話をしてもいいかという文面に、着いたら連絡すると返信をして僕は頬を緩める。
「おっと、人が増えたな」
先ほどまでは電車が出たばかりで人は並んでいなかったが、反対側に乗り換えの電車が止まり一気にホームに人が増えた。後ろに並ぶ人も増えて黄色い線の内側ギリギリまで僕は前に進む。そして途中だった到着時刻を調べるべく携帯電話に視線を落とした。
ここから最寄りの駅まで一回の乗り換えをして五十分ほど、着く時間を連絡しておくのがいいかと予定時刻を藤堂にメールする。そして何度かメールのやり取りを繰り返していると、ホームにまもなく電車が通過するというアナウンスが響いた。
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