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第832話 疑惑 17-3
そういえば生徒会の顧問だったと思い出し、驚いた表情を浮かべる間宮に僕は片手を上げる。
「西岡先生が来てくださるなんて珍しいですね」
「あー、うん、頼まれごとをしてな」
なぜか至極機嫌のよさげな間宮は、こちらに駆け寄るとにこにことした笑みを浮かべて僕を見下ろした。その理由がわからなくて小さく首を傾げたら、今度は少しそわそわとした雰囲気で僕を見つめる。
「西岡先生、このあとのご予定は?」
「え? んー、少し仕事が残ってるからそれをやって、あとは帰るけど」
中間テストの採点などの作業が残っているが、それほど時間はかからないだろう。僕は室内の時計にちらりと視線を向けてからもう一度間宮を振り返った。するとぱあっと空気が明るくなったのがわかるくらいの笑顔になる。
「それじゃあ、帰り一緒に食事しませんか?」
「お前の仕事は? 生徒会の仕事あるんじゃないのか?」
こうして野上や柏木が残っているからにはなにかあるのではと思った僕は、思わず訝しげに首を傾げる。けれどそんな僕に間宮は満面の笑みを浮かべた。
「いえ、今日の分はもう終わりです。彼らが残っているのは自主的です」
「あ、そうなのか」
でも言われてみれば、ほかの四人の姿が見えないということは、仕事はすでに一段落していたのか。もしかしたら仕事が終わったのを見計らって峰岸と鳥羽はやって来たのかもしれない。まあ、ここは居心地がいいんだよな。それほど大層な部屋ではないけれど、給湯室も冷蔵庫もある。珈琲は飲み放題だし、ちゃっかりとお菓子も常備されている。
うちの学校は生徒主体だから、生徒会は決定権も影響力も強い。自由度が高いから伸び伸びとできるのだろう。
「あー、僕のほうは三、四十分くらいはかかると思うけど」
「待ってます!」
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