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第860話 疑惑 24-3
いまは情報社会だ。簡単に様々な人たちと情報共有が行われる。藤堂と峰岸は今回の恰好の宣伝材料になったことだろう。
「それでどうなんだ、うまくいってるのか?」
「うまくどころか、朝からずっとこの状態ですよ。休憩も外に出ている暇がないくらいです」
肩をすくめる藤堂からメニューを受け取りそれを眺める。飲み物は珈琲や紅茶、ジュースなどで喫茶メニューはかなり充実しているようだ。ケーキやパフェ、パンケーキにサンドイッチまである。
「そんなに忙しいのか。あんまり並んでないのは回転が悪いとか?」
「いえ、時間制限を設けていますし、予約制で席が空く十五分前に客へ連絡がいくようになっているので回転はかなりいいですね」
「そうなのか」
どうやら疑問に思っていた待ち客の少なさは、メールアドレスの管理によるものらしい。携帯電話で電子コードを読み込み、特設サイトでメールアドレスを登録する。そして予約が完了したら待ち時間は並ぶ必要がないので、自由にほかのクラスの出し物を楽しめるというわけだ。
予約制のほかに指名もあり、事前に顔写真を見て気に入った生徒に注文を取りに来てもらうこともできるらしい。そして予約制などが面倒な客には持ち帰りも対応している。しかしもっとも客に喜ばれているサービスは来店者限定の記念撮影だという。なんだか様々なサービスが徹底されていて隙がない。
二クラス合同なのでほかよりも生徒の数も多い。そのおかげで行き届いた客の管理とサービスが提供できるのだろう。生徒たちの得意分野を生かした役割分担と配役。経営に興味があると言っていた鳥羽ならではの展開だ。
「藤堂も記念撮影もちろんあるんだよな」
「ですね。俺はバイト優先で、文化祭の件に関してはすべて任せきりだったので、口を出せる立場ではないんです」
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