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第1085話 始まり 13-1
ショールームで家具をそれぞれ見て回り、買い物をし終わった頃にはお昼時を過ぎて十四時近くになっていた。だいぶ遅くなったが、昼ご飯はどうしようかなんて話ながら外を歩いて、なに気なく通りかかったラーメン屋で二人とも足を止めた。
人気のある店なのか入るまでに少し並んだけれど、待っているあいだ二人で話をしていたらあっという間だった。そしておすすめの豚骨ラーメンを二杯頼んだが、並ぶだけあって麺もスープも美味しくて、食べ終わる頃にはすべて飲み干していた。それは優哉も同じだったようで、二人でいい店に入れてよかったなって笑い合った。
「そういえば二人でラーメン屋は初めてだったな」
「あまり外食したことなかったですよね」
優哉がよく泊まりに来てくれていた頃はとにかく家で過ごすことが多かった気がする。食事はその時々優哉が作ってくれたので、わざわざ外に出て食事をする必要もなかった。二人きりでいる時間のほうが大事だったから、人目のある外へ出ようという気にならなかったのだろう。
以前は学校の知り合いに会うと困るからって、出かける時は少し遠くまで行ったりしていた。外にいると二人きりをあまり堪能できないから、自然と家にいる時間が長くなっていたのかもしれない。
いまも二人でいる時間は大事だけれど、こうして一緒に出かけるのもいいなと思う。生徒と教師という大きな壁もなくなったし、二人で新しい発見しながら色んな時間を過ごしたい。
「優哉の仕事が本格的に始まったら二人で出かけるなんてそんなにできないし、今日はのんびりしような」
「そうですね」
ラーメン屋を出たあとは、僕のお目当てである食器を見に行くことにした。大通りから一本入った道を十五分くらい歩いたら、通りに面した大きな窓と青空色の外壁がとても印象的な店にたどり着く。店内の様子も見える大きな窓からは、白を基調としたおしゃれな食器などが見て取れる。そして店先には――輸入雑貨ノルンと書かれた看板がある。
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