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第5話

* おでこがひんやりとしている。 (気持ち良いし、落ち着くな‥‥‥でも、なんかさっきも同じようなことあったような‥‥‥) 「はっ‥‥‥バイト!」 勢いよく起き上がると、視界に映るベッドとシーツから、どうやら自分は寝てしまっていたらしいと分かる。 「どうしよ‥‥‥俺、倒れて‥‥‥迷惑‥‥‥」 (せっかく雇ってもらったのに、どうしよう......!) 職務放棄をしてしまったことにパニックになっていると、またおでこにひんやりとしたものが。 「こーら、寝てろ。バイトは大丈夫だから。しばらく休みで良いって」 「‥‥‥え?」 聞き慣れた声とともに、おでこを押されて無理やり寝かされた。 見上げた先には‥‥‥高谷先生? 「何で‥‥‥高谷先生が、ここに?」 「望月が倒れて病院に運ばれたって、バイト先から叔父さんに電話行ったんだ。叔父さんは仕事が忙しいからって俺に」 「あ、あの‥‥‥叔父さんって?」 俺が倒れて連絡が行ったという状況から考えると、叔父さんなる人物は大体予想がつくけど、高谷先生がそう呼んでいることに疑問を持つ。 高谷先生にとって、俺のお父さんは保護者のはず。 「望月の親父さんは俺の母さんの弟さん。望月と俺は従兄弟同士」 「え‥‥‥、従兄弟、ですか?」 (従兄弟って、血の繋がりがあるあの従兄弟?親戚関係にあるあの従兄弟?) 正直、実感が湧かなかった。 今まで親戚なるものと交流を持ったことがないからだ。 母親とも父親ともろくに会っていないのだから、当たり前だけど。

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