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第46話
*
カラオケというところに連れてこられた俺は、手に汗を握りながら長椅子に座っていた。隣には、戸塚君が足を組んで座っている。
醸し出す雰囲気が怖すぎて、とてもじゃないけど顔は見れない。
「それで?どういうことか、説明しろよ」
出会ってから今までの中で一番低い声で問われ、俺は恐る恐る弁解を試みることにした。
「あ、あの、さっきのは違くて……」
「ああ!?」
「ひぃっ!!」
(怖いっ……!)
横からの怒鳴り声に思わずギュッと目を瞑る。
戸塚君が根が優しい人で、この行動も俺を心配してのことだって分かってる。分かってるけど、凄まれるとやっぱり怖い。
「あ、あの、ね」
これ以上怒らせるのが恐ろしくて、仕方なく真実を話すことにした。
すっごく恥ずかしいけど、戸塚君はあの金髪さんとえっちな関係だから、なにかアドバイスをくれるかもしれないし。
「昨日……先生と、同じベッドで寝てて」
「……」
「俺、戸塚君の言葉思い出しちゃって……」
「……」
(うう……恥ずかしい……)
チラリと盗み見た戸塚君の目は明らかに先を促していて、慌てて目をそらす。この先を言うのは流石に恥ずかしすぎるけど、ここで黙ってしまったらお叱りを受けるのは目に見えている。
俺は意を決して、膝にある拳を握った。
「それで、か……硬くなっちゃて……」
「はぁ?」
小さな声でモゴモゴと言ったから聞こえなかったのか、戸塚君は身体を寄せてきて、不可解そうに眉をひそめる。
「だ、だから、か、硬く……」
「……一応聞くけど、何が?」
「なっ」
(何が……っ!?)
「そ、それは……ち、ち、ちち……」
小鳥の鳴き声のような音を出して勇気を貯める。
「ち、ちんち──」
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