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第127話
「は、はい……」
いざとなると、想像以上の緊張感がある。けれど自分の言ったことに責任を持たねばと、俺は胸をドキドキさせながらコクリと頷いた。
先生は俺のほっぺにキスを落としながら、シュルッと俺のネクタイを取った。
(ひゃあ……)
いつも自分のネクタイを外してる先生が、今は俺のを……。
そう思うだけで、バクバクと鼓動が速まる。
(先生のあの仕草、かっこよくて好き……)
スラッと細くて長い指。それでいて、男の人らしく角ばっていて、血管が程よく浮き出てる綺麗な手。
そんな手でネクタイを緩める先生の姿は、いつ見ても見惚れてしまうほどカッコいい。緩まった首元の、無防備にさらされた鎖骨が、色っぽくてドキドキしちゃう。
(でも……)
最近はクールビズでネクタイをしていないから、その仕草を拝めていない。それがちょっと物足りない。
そんなことを考えながら、先生のカッコいい顔をぼーっと見つめていると、おでこにチュッとキスをされた。
「ベスト、脱いで?」
「は、はぃっ……」
俺は緊張で手間取りながらも、先生に手伝ってもらい、なんとか紺のベストを脱いだ。ボサボサになった髪を整えようとすると、その手を押さえられて、俺はソファに押し倒された。
「ひゃっ……せんせっ、髪っ、ぐちゃぐちゃだからっ」
「全然。可愛いよ」
「でも……んぅっ、ん」
キスで黙らされて、先生は器用にワイシャツのボタンを外していく。先生の舌を受け入れるのに夢中になっているうちに、前は全部開いてしまい、俺のより冷たい温度がお腹をスルリと撫でた。
「ぁ……ふっ……」
ツツ、とお腹をたどって、ペタンコの胸へ。そのくすぐったさに、解放された口から声が漏れる。身体をくねらせ顔を逸らすと、突起の周りを撫でた先生が覗き込んできた。
「心……大丈夫?嫌じゃない?」
「ん……くすぐったい……けど、嫌じゃない、です」
「そっか。良かった」
先生は安心したように微笑み、再び肌の上に指を滑らせる。
「ふぁ……っ、あっ」
指がツンと突起に触れ、一段と大きな声が出てしまった。
(先っぽ……なんか、ピリってする)
「痛い?」
「ううん……」
その問いかけにフルフルと首を振った。痛いっていうよりは、違和感というか。でも全然嫌な感じじゃなくて、癖になりそうな、そんな感じ。
「ん……んぁ……」
その後も先生は俺の様子を見ながら、俺の飾りをクニクニとしたり、スルリと撫でたり、優しく優しく触れてくれる。最初はフニフニだった頂きは、徐々に硬くなり姿を現していった。
「あぅ……あ、んっ……やぁ」
最初はくすぐったかっただけなのに、徐々に気持ち良くなってきて、声も段々とえっちな感じに変わっていく。それは、先生からの愛撫に身体が悦んでいる証拠。
「はぅっ……ぅう、んっ」
我慢しようとしても出ちゃう声。
俺は涙目になりながら、手で口を押さえて、上目で先生を見た。
「声……でちゃう……」
前に、ここは壁が薄いって言われた。
だから、隣に声が聞こえてしまうのを懸念してのことだったのだけど、その甘えた声はまるでキスをおねだりしているようで。言ってから恥ずかしくなっても、もう遅い。
「うん」
微笑んだ先生は、目を伏せて照れる俺のおでこに柔らかい感触を落とし、そのまま優しく唇を奪った。
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