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第128話
何分経ったのだろうか。
深く甘いキスをしながら胸を触られ続け、いつしかくっすぐったいのは全くなくなり、快感だけを受け取るようになってしまった。
「気持ち良い?」
「……う、ん……」
トロトロに蕩けた俺は、コクリと素直に頷く。
(胸……好き、かも……)
特に先っぽが好き。クニクニされるとじわーっとした快感が、クリってされると弾けるような快感が広がるの。
大好きな先生の指。いつもチョークを掴んでる指が、今は俺のを……。そう思うと、イケナイことなのに、ゾクリと身体が震えた。
「ぁ……んっ……」
(ちんちん……むずむずする……)
下半身の違和感に腰をくねらせると、それに気づいた先生が、胸から手を下ろし、ツツとお腹をなぞる。
「やぁっ……」
(まだ、触ってほしいの……)
胸、もっと撫で撫でしてて欲しい。
駄々をこねる子どものような瞳で先生を見つめると、先生は困ったように笑って、スルリと俺のモノを撫でた。
「あっ……せんせ……」
「勃っちゃってる」
耳元でそう囁やかれた瞬間、ブワッと熱が増した。それと同時に、少しだけ意識がはっきりとする。
(俺……胸に夢中で……恥ずかし……)
すぐに理性を飛ばしてしまう自分に嫌悪感を抱き、無意識に腰を引く。けれど、ソファに寝そべったままでは逃れることができず、先生はスルスルとソコを撫で続けた。
「や、やだ……っ。恥ずかしぃ……」
(キスと胸を触られただけで硬くなっちゃうなんて……えっちな子だと思われちゃうっ)
先生にはしたないと軽蔑されるのが怖くて、俺は先生の胸を押しながら首をフルフルと振り続けた。
「恥ずかしくないよ」
「でも……」
「むしろ、気持ち良くなってくれて嬉しい」
「ほんと……?やじゃない……?」
「なんで嫌がるの。好きな子のこんな姿、可愛いに決まってるだろ」
そう言って微笑んだ先生に、おでこにキスをされた。
(可愛い……嬉しい……)
たったそれだけの言葉で、単純な俺はふにゃふにゃになって、また羞恥心なんてどうでも良くなった。
蕩けたり羞恥心にかられたり。何度もその繰り返しで忙しない自分に呆れもするけど、先生相手ならそうなっちゃうのも仕方ないなって。
(だって、それくらい好きなんだもん……)
先生になら何されても良いけど、やっぱり好きな人に色々暴かれちゃうのは不安で恥ずかしくて。そんな矛盾だらけの感情が渦巻いて、ますます夢中になっちゃうの。
抵抗をやめて身体の力を抜いた俺の耳元に、先生が囁く。
「自分で抜けるようになった……?」
甘く色っぽい声で問いかけられ、ますますアソコが疼いた。スラックスで押し付けられているのが、苦しくて仕方ない。
自分で出来るって頷いたら、先生は離れてしまうのだろうか。
(でも、もし……出来ないって、言ったら……?)
そうすれば、先生はもっと触ってくれる?あの日のように、この熱を先生の手で冷ましてくれる?
俺はコクっと喉を上下させて、潤んだ瞳を先生に向け、自分でも信じられないほどの甘えた声を出した。
「でき……な、い……」
(──ああ、俺、イケナイ子だ)
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