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第135話

「えっえっえっ!望月だ!」 「わっ」 山田君は俺の姿を見た途端、一瞬にして顔をパァッと輝かせて抱きついてきた。俺はよろけつつも、なんとか山田君を受け止める。 「うおー!久しぶり!!」 「ひ、久しぶり。山田君」 「うんうん。つーかマジで!?控えめな子って望月こと!?」 「あ……そっか。じゃあ、もしかして……近所のお兄さんって……」 (尾上さん?) チラッと見ると、大人同士で挨拶を交わしていた尾上さんが、俺に向かってニコッと笑った。 その表情を見るに、尾上さんは俺たちが同じ高校だと知っていたのだろう。俺はいつも制服でバイトに行ってるから、そうでも全然不思議じゃない。 「やばいやばい!これって運命じゃね!?」 山田君はそんな尾上さんのサプライズに気づくことなく、ひたすら運命だと言いながら、俺をギュギュッと抱きしめた。 「もうマジで嬉しい〰︎〰︎!!」 秘密がばれちゃうのは困るのだけど、俺はついほっぺを緩めてしまう。数日ぶりに会っただけで、こんなにも喜んでもらえるなんて、俺はなんて幸せ者なんだろう。 「ふふ……俺も嬉しい」 山田君の腕がまわっているせいで首が少し苦しかったけど、俺も山田君の背中に回した手にギュッと力を込めた。 だって、本当に嬉しい。夏休み一緒に遊ぼうって約束を、今日初めて果たせるから。 「……っ!望月ほんっっっと可愛い!」 「そ、そんなことないよ……」 「ある!ありまくり!!可愛い!!」 「そ、そんなに言われたら、恥ずかしい……」 「〰︎〰︎っ!!」 この暑いなか、俺たち二人は浮かれに浮かれて、ひたすら抱き合った。徐々に山田君の力が優っていって、背中がそり始める。 (ちょっと辛い、かも……) 背中をプルプルさせながら、ふと先生を見れば、なんだか微妙な顔をしていて。それで俺は、皆を待たせてしまってることに気がついた。御坂さんも尾上さんも、俺たちを見て苦笑いしてる。 (い、いけないっ……) 「あ、あの、山田君そろそろ……っ!」 そろそろ離れなきゃと思い、山田君に声をかけようとした瞬間、後ろからグイッと引っ張られた。

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