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第153話
「もう、寝るの……?」
上目で先生を見つめる。少し恨めしそうな言い方になってしまった。だって、先生ともっとキスがしたかったから。もっと、先生と触れ合っていたい。
(もったいない……)
せっかくの先生との時間。寝るのさえも惜しいと思う。
少しだけ唇を尖らせる俺に、先生は大人っぽい顔で微笑んだ。
「まだ寝ないよ。……まだ、寝かせない」
「ふぇ?……あっ」
耳元に寄る唇。ペロッと耳を舐められて、身体がビクッと震え、あられもない声が出た。クチュと耳元で淫らな水音が聞こえるのがすごく恥ずかしくて、俺は唇を噛んで耐えようとするけど、チュッと吸い付かれるたびに自然と口が開いてしまう。
「んっ……ぁ……」
柔らかく生温かい感触は次第に下へ降りていき、首筋を通って鎖骨へ到達した。くぼみの部分をツツとなぞられ、また身体が跳ねる。
そうして先生の舌に夢中になっているうちに、いつの間にパジャマのボタンが外されていて、胸が外気にさらされた。スルリと撫でられ、俺は心臓をバクバクさせながら、先生を見つめた。
「せ、せんせっ……?……さっき、しないって……」
さっき先生は、しないって言っていた。だから俺は、てっきりキスだけで終わるのかと思っていた。キスだけで終わってしまうのだと思っていたのだ。
「最後まではしないよ」
「さい、ご……」
「ん。でも、言ったろ?倍以上に構うって」
「あ……」
「だから、俺にしか出来ないコト、させて?」
「……っ」
少し意地悪な表情に胸がキュンと疼く。先生にしか出来ないこと。先生だけにされたいこと。俺は顔を赤くしながら控えめに頷く。本当はこっちからお願いしたいくらいだけれど、えっちな子って思われたら嫌だから、控えめにしたの。
そんな俺を愛おしそうな目で見つめた先生が、俺の胸に顔を埋め、湿った感触が頂きをなぞった。
「ひゃぁ……あ、んっ」
同時に漏れる甘い声。
(うそっ……今までは触るだけだったのに)
今までは、ただ指で弄られるだけだったソコ。初めて感じる先生の舌の感触に、身体と心がびっくりして、腰がむずむずと動いてしまう。
「んあっ……あぅ」
先生に触られるようになってから、敏感になってしまった胸は、少し吸われただけで硬くなって。もう片方も指でクリクリされるのが堪らない。視線を向けると、先生が見せつけるように、ピンッと舌で弾いた。
「ああっ」
その瞬間、ピリッと電流が走ったような感覚に襲われた。慌てて口に手を当てて声を抑えようとするけれど、どうしても漏れてしまう嬌声。
「あ、ぅ……んっ」
(はぅ……はずかしぃっ……)
恥ずかしくて恥ずかしくて。俺はどうにか声を押し殺したくて、首を捻って枕に顔を埋めようとしたけど、仰向けではそれは叶わず、俺は声を上げ続けた。
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