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第154話

「んぁっ……せんせっ……こえ、やだぁっ」 「んー?乳首そんなに感じる?」 チュッと吸い付かれる。 「はぅっ」 (そんなえっちなこと、言わないで……っ) ただ胸を触られるだけでも羞恥心でいっぱいなのに、図星を突かれて余計に恥ずかしくなって、カアッと顔が赤くなる。 本当に俺は、胸だけで感じてしまっている。だってあの日以来、先生はキスをするときもときもアソコを触るときも、胸と一緒に触るから、ココは気持ち良いんだって、身体が覚えてしまったのだ。 「や、なの……おねがっ……枕っ。おねがいっ……」 お願い。せめて枕で口を塞がせて。俺はうわ言のように繰り返した。しばらくして先生は胸から口を離してくれたけれど、でもそれは、俺のお願いを聞いてくれたわけではなくて。 「それだと大きくて、顔隠れちゃうだろ?心の可愛い顔見たい」 上から俺を見下ろす先生の興奮しているような目つきに、胸がドキッと跳ねる。可愛いって言われたのがすごく嬉しくて、顔がいっそう熱くなった。 「まあ、でも……そうだな」 ニコッと微笑んだ先生が、おもむろに服を脱ぎ、細いながらもたくましい身体を、惜しみなくさらけ出す。 (ひゃあ……カッコいい……) えっちなことをしてるときに、先生が服を脱ぐのは初めてで。今日海で存分に見たにも関わらず、思わず見惚れてしまう。ポーッと見つめる俺に、先生は脱いだTシャツを丸めて手渡してきた。 「せんせ……?」 「それで押さえてて良いよ。噛んでもいいから」 「え……でも……汚しちゃう……」 「良いよ。ただし口だけな。顔は隠しちゃダメ」 有無を言わせない雰囲気にもかかわらず、俺はなぜか胸をときめかせてしまう。おかしいかもしれないけど……なんか、普段は優しいのに、こういう時だけいじわるなのが、ドキってするの。 そんな変なことを考えているうちに、再び先生の顔が俺の胸へ近づいてくる。 「アアッ……んっ」 頂きを甘噛みされて、えっちな声が出た。俺は慌てて先生の服で口を押さえ、声を殺したけど、大変なことに新たな問題が発生してしまう。 (先生のっ、匂いっ……) Tシャツから香る先生の匂いが鼻いっぱいに広がって、ますますドキドキして、頭がぽわーってなって。このままじゃ変になってしまうと、理性が叫んでいるが、それでも声を抑えるにはこの方法しかない。 どっちを取るかなんて明白で、俺は快感に落ちることを選んだ。先生の匂いに、満たされることを選んだのだ。 (もうっ……だめ……) 限界が近づく。涙で視界が歪んで。息も荒くなってきた。 もうすぐ……あと少しで達しそう。そんなタイミングで、突如刺激が止んだ。 「え……なん、で……っ」 寸前で止められて、つい惜しむような声を出してしまう。先生の表情は、視界がぼやけているせいで、よく見えない。 「先生……?」 不安な声を出す俺のまぶたを、先生の綺麗な指が拭った。クリアになった視界に映るのは、もちろん彼しかいなくて。俺を見下ろす先生は、大人っぽい笑みを浮かべて、ゆっくりと口を動かした。 「心、見える?」 「え……?」 「こんなに腫れて……来年は海行けないかもな」 先生が俺の胸の輪郭をツツとなぞり、少しだけサディスティックに口を歪めた。その瞬間、止まっていた欲が湧き上がり、ドクドクっと下半身が震えた。 「〰︎〰︎っ」 ギュッと服を噛む。 足を動かしたいのに、先生が身体の上に乗っかっているから、思うように出来ない。だから、ソコだけで快感を受け止めるしかなくて。俺は、下着の中にいっぱいの欲を吐き出した。

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