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第175話 R18
「……ぅ……あ」
妙な圧迫感。普段は出すところから何かが入ってくるというのは、言葉では表せない変な違和感があった。
「心、嫌だったらすぐ言ってな?」
その言葉とともに、指がさらに奥へと侵入してくる。そんなに深くは入れないって言ってたけど、少し入ってくるだけでも苦しくなるには充分で。
「あ……っ」
「心……?苦しい……?」
「……っ」
ギュウッとシーツを握る。うまく喋れない。少し苦しくても嫌じゃないって伝えたいのに、目には生理的な涙が溜まり、顔は歪んでしまう。そして、先生も心配そうな声色に変わっていった。
「……呼吸できる?力抜いて」
「……ぁ……う」
呼吸ってどうやるの。力を抜くってなに。
初めてのことに身体と頭が追いつかず、軽くパニックになってしまった俺は、そんな簡単なことも分からなくなってしまってる。そして、その焦りがますます身体を硬直させ、お尻の中が狭くなるのを感じた。
(どうしよ……このままじゃ……)
優しい先生は、すぐにやめてしまうだろう。そして、そんな心配は現実に変わる。
「やっぱり今日は……」
ついに、俺の苦しそうな様子を見かねた先生が、お尻からゆっくりと指を抜いてしまった。
「や、やだっ」
俺はとっさに上体を起こして、先生の腕を掴んだ。必死の形相を浮かべる俺に、先生は戸惑った表情を浮かべる。
「心?大丈夫だよ、無理しないで」
「やだ……やだっ、俺、頑張るからっ……やめちゃ、やだっ」
「心……そんなこと言っても、心が苦しかったら意味ないだろ?」
「苦しくないっ……苦しくないもんっ」
せっかく先生がその気になってくれたのに、こんな終わり方したら、しばらく何もしてくれない気がする。そうなれば、俺はまた先生に我慢をさせることになる。
俺が男だから。入れる場所がお尻しかないから。そんな理由で諦めるのは絶対に嫌だった。
「……やだっ……頑張るからっ……」
(情けない……)
こんなことも満足にできないなんて、情けなくて仕方ない。
ポロポロとほっぺに伝う涙。
「やだ……やだ……」
やだを繰り返す俺は、まるで駄々っ子のようで。そんな俺に困り果てた先生が、「ふー」とため息をついた。
(呆れられた……?)
そう思うと怖くて、先生の腕を掴む手が震えてくる。
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