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「それじゃあ、また来てね、暁くん」
「はい、また今度。おやすみなさい、眞希乃さん」
「おやすみなさい。玲維くんも」
夕食を食べ終わり、片づけをすると夜九時近くになっていた。眞希乃さんとお別れをして、眞希乃さんの家を後にする。
暁くんの家は、ここから数駅離れたところにあるらしい。僕の家は歩いて帰れる距離にあるが、駅の方向にあるため途中まで一緒に帰ることになった。
「家まで送っていきますよ! 近いんでしょ?」
「……僕は一応年上だからね? お構いなく」
「そう? ん~、そういえば朝霧さんって何歳?」
「二十六」
「そっかあ。二十六歳から見た二十一歳って、やっぱり子供?」
「……さあ。よくわからない」
「ん~、じゃあ、恋愛対象としてアリ? ナシ? いや、俺のことじゃなくて単純に年齢の話で」
「……さあ。恋愛する気ないし」
「……、ふうん、そっか……」
早く駅に着かないかな、なんて思う。暁くんと二人きりになるのは初めてだが、どうにも落ち着かない。もやもやとよくわからないものが胸の中をぐるぐるして、自分が自分でなくなってしまいそうだ。
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